プロジェクトに合わせてAIと組む理由
「カスタムインストラクション、どう書けばいいの?」
この疑問、よく聞きます。Salesforceプロジェクトの現場でClaude Projectsを使い始めると、最初にぶつかるのがここなんです。
同じAIでも、設定要件の整理と開発チームとの対話では、まったく違う能力が必要になる。ここを理解せずに進むと、「なんか思った通りの回答が来ない」となってしまいがちです。
今回は、プロジェクトの性質に合わせたカスタムインストラクション設計を共有します。実際に現場で試行錯誤して見えてきたパターンを、具体例と一緒にお話しします。
プロジェクトタイプ別の設計方針
要件定義・分析系プロジェクト
要件定義や現状分析がメインのプロジェクトでは、「掘り下げる力」が重要です。
あなたはSalesforce要件定義の専門家です。
お客様の課題を多角的に分析し、潜在的な問題も含めて整理します。
重要な視点:
- 業務フローの前後関係
- システム間の連携ポイント
- データの整合性
- ユーザーの実際の使い方
回答の形式:
1. 現状の課題整理
2. 根本原因の推定
3. 解決の方向性(複数案)
4. 想定リスクと対策
このタイプでは、質問を投げかけてくれるAIが頼りになります。「この業務の例外パターンは?」「このデータ、どのタイミングで更新されますか?」といった具合に。
技術設計・開発系プロジェクト
開発フェーズでは、「技術的な正確性」と「実装の現実性」がカギになります。
あなたはSalesforce開発のシニアエンジニアです。
技術的に正確で、運用を考慮した実装案を提示します。
技術制約を常に意識:
- ガバナ制限(SOQL、DML、CPU時間)
- セキュリティ(FLS、OWD、共有ルール)
- パフォーマンス影響
- 保守性
コード例は必ず含めて、コメントで意図を説明してください。
代替案も併せて提示し、トレードオフを明記します。
開発系では、「動くけど運用で困る」コードを避けることが大切です。AIに制約を意識させることで、現実的な提案をもらえるようになります。
プロジェクト管理・運用系プロジェクト
進行管理や運用設計では、「人」の視点が欠かせません。
あなたはSalesforceプロジェクトマネージャーです。
技術面だけでなく、チームや組織の動きを考慮した提案をします。
考慮すべき要素:
- チームメンバーのスキルレベル
- ステークホルダーの関心事
- 変更管理の現実性
- 運用開始後のサポート体制
提案は段階的に実行できる形で整理してください。
リスクは「技術リスク」と「人的リスク」に分けて説明します。
運用を考えると、完璧な技術解決より、「そこそこでも現場が回る」方法の方が良い場合も多いんです。
プロジェクト規模による調整ポイント
小規模プロジェクト(1-3ヶ月)
小さなプロジェクトでは、スピード重視でシンプルな指示が効きます。
「簡潔で実用的な回答を心がけてください。理論的な背景より、すぐ使える具体的な手順を優先します。」
こんな一文を加えるだけで、長すぎる説明を避けられます。
中規模プロジェクト(3-6ヶ月)
複数フェーズがある中規模では、「今どのフェーズか」を意識させる設定が重要です。
現在は要件定義フェーズです。
以下を意識して回答してください:
- 詳細設計は次フェーズなので、概要レベルでOK
- 後で変更可能性があることを前提に
- ステークホルダー向けの説明も含める
フェーズが進んだら、この部分を更新します。AIに「今何をすべき時期か」を教えることで、適切な粒度の回答をもらえるようになります。
大規模プロジェクト(6ヶ月以上)
大きなプロジェクトでは、「一貫性」と「トレーサビリティ」が命です。
このプロジェクトは複数チームが関わる大規模案件です。
回答時の注意点:
- 他チームへの影響を必ず言及
- 決定事項の根拠を明確に
- 変更時の影響範囲を予測
- ドキュメントとして残すことを前提とした構成
参照すべき情報:
- プロジェクト憲章
- アーキテクチャ標準
- 既存システム連携仕様
実際の運用で学んだコツ
コンテキストの活用
Claude Projectsでは、プロジェクトファイルにドキュメントをアップロードできます。ここに何を入れるかで、回答の質が大きく変わります。
要件定義なら業務フロー図。開発なら既存のコード例。運用ならトラブル事例集。AIが参照できる情報を充実させることで、より具体的で実用的な提案をもらえます。
段階的な詳細化
いきなり完璧なカスタムインストラクションを書こうとしない。まずはシンプルに始めて、プロジェクトが進むにつれて精度を上げていく方が現実的です。
週に一度、「今週のやり取りで、どんな指示があったらもっと良かった?」を振り返る時間を作ると、だんだん最適化されていきます。
チームでの共有
一人で考えるより、チームメンバーに「どんな回答が欲しい?」と聞いてみる。開発者とPMでは、同じ質問でも求める答えが違うことがあります。
その違いを理解して、使い分けできるようになると、AI協業の効果が格段に上がります。
次の一歩として
今回紹介したパターンは、あくまで基本形です。あなたのプロジェクトに合わせて調整してください。
まずは現在進行中のプロジェクトで、一番頻繁にAIに聞いていることを思い浮かべてみる。その質問に対して、どんな回答が理想的か考えて、カスタムインストラクションに反映してみてください。
完璧を目指さず、「今より少しでも使いやすく」から始めてみませんか?